チガヤとの戦いを終え、
土をふかふかに整えた頃、
庭には秋の気配が静かに満ち始めていました。
やわらかな光と澄んだ空気が、
「ここに新しい命を迎えよう」と
そっと背中を押してくれるようでした。
こうして、
宿根草とバラを植える“庭の始まり”の日が訪れたのです。
✦ ゼロの庭に、初めて命を迎え入れる
チガヤを取り除き、
土を耕し、
腐葉土を混ぜ、
ようやく庭が“受け入れる準備”を整えた朝。
私は苗をそっと抱えて庭に立ちました。
その瞬間、
庭が静かに息をしているように感じました。
「ここから始まるんだ」
胸の奥で、静かな声がそう囁きました。
✦ 宿根草を植える手は、まるで祈りのようだった
苗を植えるとき、
私は両手をそっと添えました。
根が広がるように、
風が通るように、
光が届くように──
ひとつひとつ丁寧に場所を選び、
植えながら、
「元気に育ってね」と心の中でそっと声をかけるのです。
その時間は、
まるで小さな祈りのようで、
私の心が静かに整っていくのを感じました。
✦ バラを迎えたとき、庭の空気が変わった
宿根草を植え終えたあと、
私はバラの苗を手に取りました。
その存在感は、
庭の空気をふっと変えるほどの力がありました。
一輪でも華やかで、
香りは心をやさしく包み、
ただそこにあるだけで静けさが深まるようで。
私はその苗を、
庭の端にそっと迎え入れました。
✦ 庭づくりは、心の再生そのものだった
宿根草とバラを植え終えたとき、
庭はまだ殺風景でした。
けれど、
その殺風景の中に、
確かな“始まり”がありました。
土の温度、
風の匂い、
苗の小さな息づかい──
そのすべてが、
私の心を静かに整えてくれました。
庭づくりは、
外側を整える作業ではなく、
内側を再生する時間だったのです。
✦ この日から、静けさが根づき始めた
苗を植え終えたあと、
私は庭をゆっくり見渡しました。
まだ何も咲いていない。
まだ色もない。
ただ静けさだけがそこにありました。
その静けさは、
私の心の奥にそっと根づき始めていたのです。
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宿根草とバラを迎えた庭は、
やがて季節とともに息を吹き返し、
私の心にも新しい光を届けてくれました。
次の章では、
“心の声が戻ってきた日”──
静けさが私を呼び戻した瞬間の物語を綴ります。