庭が息を吹き返し、
静けさが日々の暮らしに根づき始めた頃──
私は思いがけない形で
“次の流れ”を迎えることになりました。
それは、
庭づくりの最中にふっと浮かんだ
小さな心の声から始まりました。
✦ チガヤを駆除していたあの日、心の声がふっと浮かんだ
庭の再生のために、
チガヤを 無我夢中で掘り起こしていたある日。
汗が流れ、
土の匂いが立ち上り、
ただ黙々と作業を続けていたその瞬間──
胸の奥から
ふっと小さな声が浮かびました。
「せっかくだから記録に残してみようかな?」
その声は、
とても軽やかで、
どこか楽しそうで、
私の心をそっと揺らしたのです。
✦ 頭の声は反論したけれど、心は止まらなかった
心の声が浮かんだ瞬間、
頭の声はすぐに反論しました。
「どうせ無理に決まってる」
「また再生回数10回で終わるよ」
「続かないって」
かつてマナー教室で動画を出したとき、
師匠の承諾が必要で、
公開できる所作はたった2つだけ。
その制限の檻の中で、
私は意欲を失い、
「もう二度とYouTubeなんてしない」と決めていた。
だから、頭の声が反論するのは当然でした。
けれど──
心と身体は止まらなかったのです。
✦ 今度は違った。私は自由だった
庭づくりは誰の許可もいらない。
誰の制限も受けない。
心のままに表現できる世界。
その自由が、
私の心を大きく揺らしました。
私はスマホを手に取り、
ワクワクする気持ちで、作業とともに動画を撮り、
そのままYouTubeに投稿したのです。
✦ 「見られなくてもいいや」
だって、楽しくて仕方がなかったから。
その軽やかな気持ちが、
すべての流れを変えました。
投稿したチガヤ駆除の動画は
気づけば 約10万回再生。
続けて撮ったフェンスDIYは
累計50万回再生を超え、
今では 約2万人の方が登録してくれるチャンネル になりました。
驚きながらも、
どこかで静かに納得していました。
✦ この流れは、偶然ではなく必然だった
心の声を疑わず、
頭で一生懸命考えず、
ただ川の流れに委ねて進んでいったら──
必要な出来事が、
必要なタイミングで、
絶妙な形で目の前に現れました。
宿根草との出会いも、
バラ園へ行くことになったのも、
YouTubeを始めたことも、
すべてがひとつの流れの中にあったのです。
✦ 本来の道へ戻るための、静かな成熟
庭づくりを始めてからの約4年間。
自然と同じリズムで過ごし、
土に触れ、風に身を任せ、
季節の巡りを何度も見つめるうちに、
心はゆっくり、ゆっくりと整っていきました。
余白の美しさ。
静けさの豊かさ。
“整える”とは形ではなく内側の状態だということ。
それらは、
かつて違和感を抱えていた
「型にはめるマナー」では決して得られなかった感覚でした。
庭づくりは、
私にとって 内面の成熟期間 だったのだと思います。
そして気づけば──
庭が教えてくれた静けさと余白が、
私がずっと探していた“本質のテーブルマナー”と結びつき、
私は本来の自分の道にも 静かに戻っていきました。