痛みが私を目覚めさせたあと、
私は静けさのある暮らしを求めるようになりました。
その静けさを育てる場所として選んだのが、
自分の庭でした。
けれど、庭はすぐに静けさを与えてくれたわけではありません。
そこには、私の心の状態を映すように、
チガヤと雑草が一面に広がっていたのです。
ここから、
静けさの庭を取り戻すための最初の試練が始まりました。
✦ 庭は荒れ果てていた
庭に立ったとき、
私は言葉を失いました。
地面はチガヤに覆われ、
雑草が膝丈ほどに伸び、
どこにも“静けさ”の気配はありませんでした。
まるで、
私が長い間見ないふりをしてきた心の状態が
そのまま形になったようでした。
✦ チガヤとの戦いが始まった
私はシャベルを手に取り、
根を張り巡らせたチガヤを掘り起こしました。
地下茎チガヤは地上部を引き抜くだけでは
またすぐに生えてくる手強い雑草。
なので、地面を深く掘り取り除かなければならないのです。
連日40度近い暑さと強い日差し、
汗が流れ、手や腕は日焼けで真っ黒になり、
腰が痛くなるほどの作業でした。
けれど、
その作業は不思議と苦しくありませんでした。
「静けさを取り戻したい」
その思いだけが、私を前へ進ませてくれました。
✦ 雑草を抜くたびに、心が軽くなっていった
約4カ月間、毎日無心でチガヤを掘り起こし、
雑草を抜き、
土を耕すたびに、
私の心の中にも少しずつ余白が生まれていきました。
庭を整えることは、
自分の内側を整えることと同じでした。
静けさは、
外側からではなく、
内側から育っていくものなのだと
この作業が教えてくれたのです。
✦ 土づくりは、心の再生だった
チガヤを取り除いたあと、
私は土をふかふかに耕し、
腐葉土や肥料を混ぜ、
新しい命が育つ準備を整えました。
土を触るたびに、
心が静かに整っていくのを感じました。
「ここから、また始められる」
そんな感覚が胸の奥に広がりました。
✦ この試練が、庭づくりの本当の始まりだった
チガヤとの戦いは、
ただの庭の大掃除ではありませんでした。
それは、
私が静けさの世界へ戻るための
最初の大きな試練であり、
心の再生のプロセスそのものでした。
この試練を越えたとき、
私はようやく
“宿根草とバラの庭づくり” を始める準備が整ったのです。
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チガヤとの戦いを終え、
土が整い、
庭に静けさの余白が生まれたとき、
私は初めて宿根草とバラを植える決心をしました。
次の章では、
その“庭の始まり”の物語を綴ります。